見えない敵 〜映画「フロントライン」より

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とは言ったもので、ㅤ
あんなに社会を混乱させ、
いろんな意味での“分断”を招き寄せた
「新型コロナウィルス」(つまりは武漢ウィルス)の脅威も、
もはや昔話といった感じで、
やり過ごされるようになりましたね。
そんな中、先週末にある映画が公開されました。
「フロントライン」
ㅤㅤ
日本における“コロナ禍”の号砲となってしまった
豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」での
クラスター発生に際し、
その救助に当たった医療チームDMAT
後方支援する厚生省や一部医療界の取り組みを
事実に基づいた形で映像化した作品。
「コード・ブルー」「救命病棟24時」などの作品で知られる
増本淳氏をプロデューサーに、
主演に小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介など
錚々たる名優を揃え
映像的にも、演出的にも見応えのあるものとなっております。
作品を観ながら、
そんなに遠い昔の話ではない
当時のことを色々思い出していました。
感染者が増加していく様を禍々しい演出と共に報じるテレビ
対応の遅い役所、緊急事態宣言、足りないマスク、
亡くなっていく有名人、延期になった五輪、そしてワクチン…
あの時でさえ、疑問に思うことはたくさんありました。
そして、今、この映画を観て気づいたこと。
日本において、
 あの当時の“検証”を誰もやってないのでは?
実際、あの客船でのクラスターを
メディアは半ば“他人事”としてセンセーショナルに報じ、
恐怖感を煽るだけ煽っていた印象があります。
そして、船内での治療や医療チームについては
対応の悪い、判断の遅い、
稚拙な組織であるかのように報じていた印象があります。
不勉強で存じ上げなかったのですが、
その治療にあたっていたDMATという医療班は
ほぼボランティアで災害派遣に当たる有志の組織で、
しかも当時は感染症への対応は管轄外だったと。
それを“人道的”な対応として、当該の事案にも当たっていたと。
それを当時、
積極的に報じたメディアはあったでしょうか?
医療スタッフが、感染者に対応しているということで
本人や家族は謂れなき中傷や差別を受けたという話は
当時も多少報じられていたところですが、
むしろ、その体制こそ感染拡大への懸念だして
専門知識も持たないコメンテーター共が
神妙な顔つきで居丈高に語っていたのがほとんど。
ㅤㅤ
当時から感じていたことですが、
改めて、この“メディア”への怒りが蘇ってきました。
※そう言えば、緊急事態宣言下で
 酒盛りをやっていて怪我したか何かで問題になった
 テレビ朝日のスタッフ。
 それを「徹底的に究明します」と宣った
 「モーニングショー」のタマガワ氏よ、
 報告をまだ待っているのだが、どうなってるんだ?
 まぁ番組観てないけど。
体面だけを考える役人
疫病を前に患者よりも逃げ腰の医療界、ㅤㅤㅤㅤ
そして“事実”より“視聴率”しか考えないメディア
小栗旬演じるDMAT統括医の
人道的に、それが正しいと考えたからやっているだけだ
というセリフを、今一度考えてもらいたい。

当時の、自分たちの言動に、
少しでも「患者を救いたい」という意識があったか?と。ㅤ
そして、それを見ていただけの我々庶民も。
二転三転するメディアの情報に感化され、
思考停止しては居なかったか?と
マスクは感染予防にはならない、自分の飛沫を止めるだけ
ワクチンには予防効果は無い、重症化を防ぐだけ
こういうことは、当初から言われていたことですが、
マスク装着に固執したり、
ワクチンを打たないと職場や公共機関に入れないといった
上の事実と矛盾するような風潮が、
いつしか“同調圧力”として、本質的な議論を封殺したりと、
正常な判断力を奪われた人が多数見られました
わたしは当時からワクチンには懐疑的で
できれば1回も打ちたくなかったのですが、
母が疾患を持っている都合、
自身が感染するリスクを避けたいために
半ば世間への言い訳として2回打ちました
まだ確証の無い中で、そうせざるを得なかったのですが…
効果自体が懐疑的で、
開発者さえそれを否定しないワクチンを、
あたかも“万能薬”であるかのように打たせようとする社会
きっと、かの太平洋戦争時にも
同じような風潮があったのだろうと容易に想像できたものです。ㅤ
そこまでに積み上がった情報と、論理的な思考でㅤㅤ
最善策を議論することさえできなかった哀しさ。ㅤ
コロナ禍を経て、日本人は少しはたくましくなったのか?
庶民は多少賢くなったかも知れない、
ただ政治家のレベルは著しく下がったのでは?
そしてメディアの質はいっそう酷くなったのでは?
ウィルスよりも恐ろしい“結末”をもたらす
いまの日本に存在する病巣
のことを考えると
震えが止まらないわたしです。
最後に、
当時も今も、人々の健康のために苦心されている
すべての医療従事者の皆様へ感謝を。