“当たり前”こそ難しい

プロ野球の話で恐縮ですが、
先日、阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝き、
関西は大変盛り上がりました。

チームを率いたのは、今季から指揮を採った岡田彰布監督。
前回の日本一の際にはレギュラーの二塁手として、
攻守でチームを牽引した1人。

そして今回は監督としてチームを率いての日本一。
選手と監督、両方の立場で日本一を経験したのは
球団では初めてのことだそうです。
ひとえに日本一経験が少ないだけの話ですが。
昨年は、首位と12ゲーム差を付けられ3位に終わったチーム。

監督が変わったとは言え、
そこまで劇的にメンバーを入れ替えた訳ではありませんでした。

今季の躍進の理由として、
分かりやすいポイントとしては
昨年まで1軍にいなかった村上投手の台頭
そして昨年から始まった
新制度・現役ドラフトにより獲得した大竹投手の活躍。
この2人で22勝を挙げられたことが
躍進の原動力となったのは言うまでもありません。
一方で、継続的にチームが勝ち続けるため
岡田監督が敷いたのは
守備における“適材適所”
攻撃における“四球”の重視
この2点だったと思います。

まず守備に関しては、
前年、遊撃手のレギュラーで、
同ポジションでWBC代表にも選ばれた
中野選手を二塁へコンバート。
そして、前年まで右翼と三塁で“併用”してきた
佐藤選手を三塁に固定。
それに伴い三塁も守っていた大山選手を 一塁に固定し、
遊撃には肩の強い木浪選手を起用。
内野守備の安定化を図りました。


この数年、脆弱な守備が課題とされてきた中で
今季も失策数自体はリーグワーストだったのですが、
昨年までに見られた「勝負どころでの失策」が減った印象です。
加えて、二遊間が安定したことで
投手もだいぶ安心して投げられるようになったように見えました。
そして攻撃面では、四球を重視したこと。
開幕前に、四球の数も来季年棒の査定に加えることを球団に要望し、
選手たちには、四球と安打は同価値であると説いたとか。
そのため、相手投手の投球数を増やし、 かつ好球を逃さず捉えることで
各選手の打撃成績が向上したというのです。
「攻撃力重視」を掲げ、
ある意味、失策を軽視していた昨年から 大きな方向転換を実施したことで
戸惑った選手もいたのではと思いますが
結果が出始めたことで、選手の迷いも無くなり
シーズン中盤・終盤の連勝につながったのではないでしょうか。
ここで大事なのは、
野球という競技の“本質”を理解すること。

一流選手でも3割しか打てない打撃に悩むより、
練習次第・心掛け次第で、
限りなく成功確率を100%に近づけられる守備を重視した方が
試合に勝てる確率が上がるという考え方。

そう、点を取られなければ、
少なくとも負けることはないのです。
極めて“当たり前”の考え。

もちろん、そんな簡単なことではないのですが、
少なくとも守備を安定させ
攻撃における数少ないチャンスをモノにすれば
勝利への近道になるのですね。
非常に前フリが長くなってしまったのですが
マーケティング手法としてのWEB制作においても
似たようなことが言えます。


・売り手の強み
・買い手のニーズ

上記がマッチするような表現を行い、
それを適切な形で世間に周知されることが
健全な広告のカタチなのではと思います。


※「適切な形で周知」こそ、一番難しいですが

極めて“当たり前のこと”を申しているのは重々承知なのですが、
これを見失いがちになるのが
クリエイティブの現場であることも、また事実。
クライアント、あるいは担当者によっては、
旧来の自社のやり方や思いに固執し、
現在の、そして未来のユーザーのニーズを
見失ってしまうこともあると思います。

そこで思い出したいのは、
先に述べた“当たり前”のこと。


やはり、この“当たり前”を当たり前に受け止め、
それを反映したクリエイティブを提案することが
“成功”への近道なのではないでしょうか。



難しいですけどね。
“あたり”さんの動画の前に
フツーのことを書きました。
まさに、“あたり前”の表現ということで。